「戦前切手」の世界~切手で見る戦前の天皇~
まるで宝の山!?~「戦前切手」とは~
日本史の概念では、明治維新から太平洋戦争に負けるまでを「近代」もしくは「戦前」、戦争に負けてから今に至るまでを「現代」もしくは「戦後」と呼びます。
中学生でも知っている概念ではありますが、読者の方が思っている以上に「戦前」と「戦後」では文化や習慣、そして世界が全く違います。
天皇や皇室の立場というのはその最たるものです。
「戦後」までは天皇および皇室は日本の文化そのものであるとの認識を国民は持っており、政府もその認識を広く国民に持たせるためにありとあらゆる努力を行います。
国家神道として全国各地の神社を組織化させたのはもちろん、建国神話である『古事記』を教育内容に盛り込むなどはその最たる例です。
そして、その影響は、切手にも現れます。今回のテーマは「戦前切手」です。
戦後に消えてなくなった戦前の常識を、切手を用いてご紹介いたします。その一例をご紹介しましょう。
①昭和立太子礼(1916年11月3日発行、3種)
●立太子とは?
1916年とは大正6年を指します。
当時即位していたのは大正天皇でしたが、この日、その在位中に第一男子・裕仁(ひろひと)が皇太子となって次の天皇に即位することが確約される立太子礼が行われました。
立太子礼の際には政府の手によって切手「裕仁立太子記念切手」が発行されました。
ただし、裕仁親王は即位後に昭和天皇と呼ばれることから後に「昭和立太子礼」と通称されることとなりました。
●裕仁親王の立太子を取り巻く背景
当時は、次の天皇が誰か確約されることは、日本全体にとって非常に喜ばしいことでだ、との認識がありました。
だからこそ切手が発行されたのです。
特に、大正天皇は元来病弱であったことからも、立太子に対する国民全体の喜びは一際大きかったことでしょう。
年号が昭和に入ったのは大正天皇が崩御された後の1926年のことですが、1921年の時点で摂政宮として大正天皇の政務を代行していたことからも、裕仁親王の立太子が重要事項であったことがわかります。
昭和立太子礼 切手
発行年度 | 1916年 |
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額面の種類 | 1.5銭、3銭、10銭 |
買取における価値 | 500円~6.5万円 |
最重要!「儀式のかんむり」!
この切手は、3種の中で最も価値が高いのが「儀式のかんむり」と通称されるものです。
なぜ価値が高いかというと、発行枚数が極端に少ないからです。
「おしどり模様」と称される他の2種が約1200万枚発行したなかで、「儀式のかんむり」は9万にも満たない数しか発行していないのです。
当然のことながら希少価値は高く、コレクターは喉から手が出るほど欲しいようです。
もし「昭和立太子札」を見つけられたら、どんな種類かを確かめてください。もし「儀式のかんむり」であれば、超プレミアものです。
②昭和ご帰朝(1921年7月16日発行、4種)
昭和ご帰朝切手
発行年度 | 1921年 |
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額面の種類 | 1.5銭、3銭、4銭、10銭 |
買取における価値 | 500円~1.3万円 |
こちらも昭和天皇(当時は裕仁皇太子)に関連した切手になります。
「ご帰朝」とは海外から日本に戻られることを意味します。
裕仁皇太子は3月から9月までヨーロッパ諸国を外遊されたのです。
●日本史上初、皇太子による外遊!
今でこそヨーロッパ外遊は当たり前になっていますが、実は当時としては初の試みでありました。
最初に外遊を提案したのは元老山縣有朋です。
当時は大正天皇の病状重く、裕仁皇太子が天皇に代わって政務を執り行うことが現実味を帯びていた時期でもありました。
そこで、外遊を行うことで諸国への見聞を深め、かつヨーロッパ王室との交流を深めていただくということを考えたのです。
しかし、前例にないことである以上、反対する者も多くいました。主な理由としては二つです。
反対派には大アジア主義で名を馳せた、玄洋社の頭山満など、言論界の著名人も多く、さらには裕仁皇太子の母である貞明(ていめい)皇后も入っていました。
最終的にヨーロッパ外遊は挙行される方向で決定されましたが、この1921年は、大正天皇の重篤、山縣有朋の失脚(宮中某重大事件)、そして原敬首相の暗殺など、日本全体に暗雲をさす話題が相次いだ年でした。
6か月間にもおよぶ外遊は、イギリス、フランスなどのヨーロッパ諸国からの反応もすこぶる良く、大成功に終わりました。
そこで、政府はなんとかしてこの暗いムードを盛り上げたいと考え、裕仁皇太子の帰国前の段階で切手の発行を計画したのです。
そして、外遊の成功は裕仁皇太子の摂政就任にもつながっていくのです。
このように、戦前は皇室に起きた慶事は切手にする傾向があり、その種類や発行枚数に応じて希少価値は変動してくるのです。
③関東局30年(1936年9月1日発行、3種)
関東局30年切手
発行年度 | 1936年 |
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額面の種類 | 1.5銭、3銭、10銭 |
買取における価値 | 3000円~3.5万円 |
最後に紹介するのは、日本列島を超え、大陸関係の切手になります。
正確には「関東局始政30年切手」といい、主に満州国を対象に発行されていたものです。
すなわち、日本本土で発行されておらず、発行当時ですら本土では手にすることが至難であったことがわかります。
●満州統治、30年間の変遷
実はこの30年という数字は実質的なものであり、この間、組織の変更が何度か行われています。
統治が始まった日である1906年9月1日は関東都督府が発足された年です。
日露戦争で日本がロシアに勝利し、満州利権の獲得が決定的になったことが背景にあります。
そして1919年には関東都督府は関東庁と名前を変えます。
軍事部門を担っていた関東軍が組織体系から独立することを受けての名称変更です。
そして、1934年、満州国の成立に伴い、日本からの出先機関をまとめるために関東局が発足、関東庁は廃止となります。
形式上、満州国は日本とは別の国であるため、「在満州国日本大使館」に置かれることになりましたが、実質は関東局ならびに満州国政府に送り込まれた日本の軍人・官僚などが実権を握ることとなります(いわゆる岸信介、東条英機、鮎川義介、松岡洋右、星野直樹の「二キ三スケ」が幅を利かせることとなります)。
そういった目線でみると、この切手は満州国自体の歴史は浅いが、日本による満州支配の歴史が長いことを示すために、あえて30年という言葉にこだわったかのように感じられます。
数字のトリックを使った正当性の演出はどの国でも行われますし、人々の目に触れやすい切手はその演出に最も適したツールになりえたのです。
●超プレミア!満州から日本の切手!
さて、切手の話にもどりますが、この切手の特異性は満州国を対象に発行された日本の切手であることです。
つまり、今は満州に領土がない以上、発行の主体となる組織はすでに存在せず、収集することも難しいのです。
言うなれば、とてつもないプレミアものなのです。
時代によって、国家の領土は変わってくるので、古い切手を見つけた際は、ぜひその内容を見極めないといけません。
特に日本の場合は満州系の切手は査定にだす価値が大いにあります。
日本語が書かれているからと言って、安易に日本の切手だと判断せず、その切手がどのような歴史をたどったものなのか、しっかり見極める必要があります。
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「戦前」には、「戦後」を生きる現代人の感覚ではわかりえない価値観が存在していました。
そして、現代人は切手を通じてそれをみることができます。そしてその切手は「戦前切手」として大きな価値を有します。
もしもあなたが、「戦前切手」を見つけたとして、自分の力では価値があるのか測りえない場合は、インターネットで調べたり、戦前の歴史に詳しい人に尋ねてみたり、あるいは査定に出したりすることをお勧めいたします。